只見線沿線ツーリング 〜夏編〜         







福島県の会津若松〜新潟県の小出を結ぶJR只見線は、もとはダム建設のために敷設されたという経緯を持つことから人口希薄な山間部が路線の大半を占めています。 しかし山奥を只見川を縫うようにして走るためその車窓は実に風光明媚で、鉄道ファンのみならず今では人気の観光路線となっています。ところが2011年7月の新潟・福島豪雨により橋梁流失など甚大な被害が発生、 以降会津川口〜只見間は現在も運転見合わせ、バス代行輸送が続いています。私も以前冬に只見線に乗車したことがあり、豪雪地帯を走るその水墨画のような景色に息を呑んだ覚えがあります。運転再開したらまた 春夏秋冬時を変えまた乗りに行きたいと思っていましたが待てど暮らせどその知らせは無く、待ちくたびれたので沿線を自転車で旅することにしました。なんでも会社の自転車部で昔只見線沿いを走る合宿をしたことが あるそうな。今回はソロツーリングですが、只見線の有名撮影スポットで有名な第一橋梁などにも寄りつつ峠の六十里越えにチャレンジする1泊2日の行程を計画。しかし残念ながら2日目は天候不順のため中止し、 消化不良に終わってしまいました。また今度最チャレンジするぞ〜!






会津若松側からアプローチするため、まずは東北新幹線で郡山へ。今ややまびこにも当たり前のようにE5系が充当されています。 なお現在福島デスティネーションキャンペーンによりトクだ値スペシャルが設定されており、正規値段の半額以下の4000円で乗車できました。

輪行解除し、郡山から走り始めます。9:50出発。天候は曇りでイマイチ。

郡山スタートでまずは猪苗代湖を目指す・・前回の磐梯夏合宿の時と同じですが、前回走った御霊櫃峠は結構キツかったので、今回はそれより 一本南の三森峠経由を選択。若干遠回りですが峠はトンネルでパスするので楽なはず。

段々と市街地を抜けいつしか山奥の雰囲気に。生活道路ではないですが、御霊櫃峠があんなんなのでこちらのほうが猪苗代湖南岸へ抜けるには主要ルートです。

休石温泉・・なんかそそられる名前ですね。

なにやらこんなところに新しく道路を作っているようです。

トンネル・・・?確かにこの先地図で見ても一箇所ヘアピンカーブがあるようですが、こんな交通量も少ない道路で新たに整備するほどですか?なんか北海道の 直線化工事を始め、地方は道路整備にすごいお金使ってる気がします。

看板に「三森道路早期整備促進を!!」とあります。このヘアピンカーブが隘路になっているんでしょうけれども、九十九折でもないのにこれの解消のために いったいいくらおカネをかけているのでしょうか?都市部の人の知らないところで田舎道の高規格化が税金を使って進められています。それなら只見線の復旧費用ぐらい出したらどうだい?国よ福島県よ。

ほどなくすると完全2車線の綺麗な橋に躍り出ました。橋は緩やかな上りです。どうやらこれは「三森道路」として既に完成し供用開始している部分らしい。先ほどのトンネル工事は 一連の工事の最後に残った工区の模様。峠の九十九折をトンネルで解消するというならまだしも、あんなアプローチ部分のカーブくらい残してもいいんじゃ?

11:10       20km
小さいトンネルを抜けた先に峠の三森トンネルがありました。そのうちこのトンネルも幅広く改良を!とか言い出しそうですね。 なおここまでは御霊櫃峠よりも断然楽でした。



猪苗代湖東岸を北上。曇りだとあまり綺麗に映えないですね。それでも湖自体は湖水浴場もあるくらい綺麗で、湖岸を走るのは気持ちいいです。



北岸はR49沿い。去年も走った道です。磐梯山はうっすら。

そのまま会津若松市に入ります。国道なので大型車が多いのが難点。

ちょうど昼時を迎えたのでラーメン屋へ寄り道します。喜多方ラーメンも考えたのですが、さすがに遠回り過ぎるので会津ラーメンを。 写真は市街地へショートカットのため64号で七曲山を越えるところ。まだまだ坂を上る元気も残っています。

13:10      68.5km

会津若松市街地のめでたいやというお店に立ち寄ります。

最もポピュラーな肉中華そばを注文。チャーシューがこれだけ入って700円はうれしいですね。もちもちの縮れ麺にあっさりスープで喜多方ラーメンとの 違いは?ですが、おいしく塩分補給もできて満足。こちらのお店は会津名物ソースカツ丼も有名なのですが、後で食べる予定だった(結局時間の都合で食べれず)ので注文せず。。

さてR49に戻ってひたすら進む予定だったのですが、途中で道を間違えてしまい時間をロス。復帰する際に向かい風で体力・気力も大幅に消耗してしまいました。

15:08

R49とR252の分岐。この先R252沿いはしばらくコンビニは無いので、調達する場合はここが最後となります。

只見線と共に只見川沿いを縫うR252へ。交通量はぐんと減ります。

早速只見線の線路と並走。会津坂下から先は1日6往復しかないので狙わないとなかなか列車に遭遇はしません。

会津柳津駅の看板があったのでふらっと立ち寄り。C11蒸気機関車が静態保存されていました。しかし「あいづやないづ」ってなんか発音が面白いです。





のんびりしていたら時間が無くなってしまいました。というのも、この先の只見線撮影スポットである「只見第一橋梁」で写真を撮るため、列車の通過時刻までに 到着しなければならないのです。本数の少ない只見線、1本逃せば次の列車が来るのは日の暮れた頃になってしまいます。

橋を渡っているとなにやら絵になる風景が広がっていたので一時停止。日本三虚空蔵の一つ、福満虚空蔵菩薩円蔵寺だそうで、1200年の歴史を持つそうです。 建造の際に赤毛の牛の群れが現れ、材木の運搬を手伝ったと伝えられ、あの「赤べこ」発祥の地だそうです。

いよいよ時間が無くなり、道の駅会津柳津をスルー。本当はここで会津柳津ソースカツ丼を食べる予定だったのですが。。列車の通過予想時刻は15:58なのであと28分、 第一橋梁まであと約6.5km、間に合うか!?

スノーシェードが登場。事前調べ通り、上り坂が始まります。ここへ来ての登坂はキツい!速度が上がらない。。

15:58      113km

通過予想時間ジャスト!に第一橋梁のビュースポットである道の駅「尾瀬街道みしま宿」に到着。あくまで15:58は予想時刻、まだ間に合うと 信じて自転車をとめ、展望台へ階段を駆け上がります・・ゲッ!列車の音がする!!

ギリギリで列車のお尻だけ撮影することに成功(笑)。
はい、完全に間に合いませんでした。もうヘロヘロです。無情にも次の列車が来るのは18時過ぎ。 天気も良くないですし、またいつか来るとしましょう。

会津桧原〜会津西方のほぼ中間に位置する只見川第一橋梁は只見線一の人気撮影スポット。山々に囲まれたアーチ橋が静かな流れの只見川に鏡のように映り、 その姿は多くの人を魅了します。観光スポットとして国道沿いの道の駅から展望台が整備されているのでアクセスもよく、臨時列車が走る日は場所取り合戦だとか。なお低中高と3箇所撮影スポットが整備されています。





トンネルのすぐ脇が展望台の入口。段数はそんなに無いですが、この階段がさっきはすごく辛かった。。

見るのを忘れましたが、一番上の展望台からは第二橋梁も望めるそうです。

さて今日の宿はもうすぐ。素泊まりなのでまだ早いですが道の駅の食堂で夕食を・・と思いきや、「売り切れ」「品切れ」のオンパレード。なんと ソフトクリームしか残っていませんでした。これはとんだ誤算・・仕方ないので売店でパンや惣菜などを購入。明日もしばらくは補給場所がないけど、大丈夫かな?このあと会津宮下駅近くにあったヤマザキショップでも食料を買い足しました。

17:10       116km

こちらの宮下温泉ふるさと荘が本日のお宿。国道から会津宮下駅方面に下って、只見川を渡った先にあります。この界隈で 一人宿泊可でリーズナブルな宿となるとなかなか限られてきますが、場所的には申し分ないです。温泉は熱めでした。

宿の向かいには只見川が流れています。しかし本当に堰き止められているかのように穏やか。ダムが造られる以前は川底まで見えるほど透明だったそうです。

さてどうしても諦めきれず18:14頃通過予定の列車を見に第一橋梁へと戻ってきました。無事にパチリ。いい腕でもいいカメラでもないのでこんなので十分です。

でもやっぱりまたいつか明るいうちに来たいな。

山の端に沈みゆく夕日。田舎町に静かな夜が訪れます。







〜2日目〜


旅行前から懸案ではあったのですが、今日は天気が悪いです。午後には回復するようですが、そんなに待っている時間はありません。現在霧雨なので 走れないことはないのですが・・。

しばし宿で考えた結果、第一橋梁のこともありますし今回はここまでにしてまた今度再チャレンジすることにしました。無念ですが、ここまでの分は次回のための 下調べだったことにしましょう。

最寄の会津宮下駅から輪行。5:57発の始発で会津若松へ戻り、会津・野岩鉄道経由で帰ることにしました。只見線は始めはガラガラでしたが、会津坂下あたりから 高校生で混み合ってきました。しかし非冷房車で通風器からディーゼルの排ガスが入ってきて参りました。。会津・野岩鉄道はマウントエクスプレスで。こう乗り継ぐと最初から輪行で帰るつもりだったんじゃ?と思われそうですが、決してそんな ことはないですよ!泣く泣く無念のドロップアウトです!!